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(ミシン)実用と虚飾のあいだ

ミシン
06 /18 2017
103 (2)

世間では父の日ですか。

先日お墓参りと小旅行を贈ったので、今年
は何も物品を送らなくてもいいですかね。

今現在では自分自身が父親の立場ですが、
自分がいくつになっても子供の目線に立っ
て思慮してしまいます。

今日はアンティーク家具を扱う自称プロとの
格闘の末、我流を通し、立派に蘇った110年
前のシンガー103の復活の経緯を綴ろうと
事務所に来ましたが、なんかそんな気分に
なれませんね。

怒りのエネルギーをトレースするには相応の
感情を呼び起こさねばなりませんが、そんな
怒ってばかりいられませんよ。

パソを起ち上げて、ラジコでエフヨコを流す
と今日の天気のネタが。

(午後から雨か・・)

しばらく、ぼーっとしながら、足踏みペダル
をキコキコする時間が流れます。

全くの推測ですが、テーラーなどの職人さん
はミシンの手元から目を離さずに作業しなけ
ればならないのでしょうから、きっとラジオ
でもつけながらの作業だったのでしょうか?

裸電球。
雑音交じりのラジオ。
足踏みミシンの音。
トタンに落ちる雨音。

何だかいきなり昭和の世界観ですね。

西区のミシンマイスターはその仕事の性質上
ミシンは道具であり、鑑賞用工業品ではない
と静かに語ります。

しかし、その機能性を十分に生かすどころか、
ソーイングの技術や知識を有していない私は
マイスターから見て、どう映るのでしょうか。

ただの古物マニアに見えるのでしょうか。

実用性機能の復元に重きを置くレストア職人
のポリシーと足踏みミシンをアンティーク家具
と同じように捉える古物商とは対極的な捉え
方でしょうから、何だか暇なやつだなぁと思わ
れているんでしょうねきっと。

確かにここ最近、足踏みミシンに触れ、一つ
の商品として仕上がるまでには色んな分野の
技術が必要な商品である事を知り、虚飾性に
長けた道具であることも理解できました。

機械、木工、鉄工、皮、塗装など、各分野の
優れた技術の集合体ですよ、ホント。

しかし私はアンティークマニアではありません。

アンティークのテーブルには天然シェラックニ
ス(ギターやバイオリンに塗るあれです)であ
るべきです!とか、鉄の脚のメンテナンスには
決まった順序を踏まえて、適切なさび落としと
適切な塗料の選択と塗布方法が重要であり、
それ以外の方法は良質な鉄に対して・・・

アンティークマニアの話や専門ショップのHP
には若干の違和感を感じます。

何だか論点整理ばかりのネタになってしまい
ましたので意見を言いましょうか。

実用性?虚飾性?なもんどっちもOKでしょ。
そこにモノがあって幸せならいいんでない?


アンティークミシンの市場に触れて気付いた
こと。

この市場は実用と虚飾、どちらの言い分も兼
ねそろえた中間層の存在が確認されないとい
うことでしょうか。

20年程前に、数少ない友人と呼べるIさん
が一冊の本を貸してくれました。

車の運転技術を有さない作家が、その操作
感を想像し、いわゆる名車と呼ばれる車を
乗り継ぐ過程に出会った恋愛を重ねた短編
小説でした。

旧車マニアにとっては許されない行為ですが
この主人公、雨天を好み選んでんでイグニッ
ションをひねるというのが特徴的です。

雨の日は車をみがいて

モノの使用領域を限定的に狭めてしまうのは
つまらなくて愚かなことと感じる今日この頃。

100年前の過去の時間とこれからの100年の
未来を模索し思い描きながらのレストア作業。

今、この一挙両得感に夢中です。